せとまちコラムSetomachi Column
慢性疲労に隠れた原因「副腎疲労」
各種検査点滴療法各種治療2022.04.16 2022.12.21

皆さんは副腎疲労という病態を聞いたことはあるでしょうか。保険診療ではなかなか評価が難しく「うつ」と診断され、抗うつ薬を投与されるケースもあります。この場合、抗うつ薬では根本的な改善はみられません。
また、「起立性調節障害」と診断された方もこのタイプであることが多いです。
「朝起きられない」「集中力が続かない」「慢性的にだるい、疲れる」「頭に霧がかかったようだ」「記憶力が落ちた」「午前中は特に憂鬱である」「コーヒーを飲まないと頑張れない」「不眠症状」等々の症状があります。
副腎に疲労をためてしまう原因として最も考えられているのが長期にわたるストレスです。副腎はストレスの腺ともいわれ、ストレスを受けることでホルモンを過剰に分泌したり、それが続くと、今度は分泌しなくなったりします。ですので、慢性的なストレスによりホルモンの過剰分泌が続くと副腎が疲弊してしまい、先ほどご紹介したような症状が出現してしまうことがあるのです。副腎に影響を及ぼすストレスは単一なものではなく身体的、精神的、心理的環境などさまざまなストレスが絡み合うことによって影響を引き起こすと考えられています。
他にも睡眠不足や栄養不足も副腎に疲労をためる一因になると考えられています。
「慢性疲労・うつ様症状」があれば、コルチゾールという元気を出させるホルモンの低下があるかもしれません。当院は詳細な問診と分子栄養学的血液検査で検出します。場合によっては唾液コルチゾール検査で確定診断することもあります。
副腎疲労の方のよくあるパターンとして水銀の排出障害があり、水銀が体内に蓄積することでミトコンドリア機能が低下している場合があります。水銀の蓄積量を確認する検査として、当院ではオリゴスキャンという細胞内のミネラル量を測定する検査を行っております。有害金属の評価は毛髪ミネラル検査が有名ですが、毛髪ミネラル検査は有害金属の排出量を見ております。その一方で、オリゴスキャンは有害金属の蓄積量を評価することができます。
オリゴスキャンの結果、水銀蓄積を認める場合の根本治療は水銀デトックスとなります。水銀暴露の原因としては歯のアマルガム、マグロなどの大型魚などが上げられます。歯にアマルガムが疑われる場合はアマルガム除去を専門的に実施している歯科クリニックをご紹介させて頂いております。アマルガム除去は不用意に行うと施術により大量の水銀暴露にさらされ、さらなる症状悪化をきたす場合がありますので注意が必要です。
また、デトックスの治療としてグルタチオン点滴やクロレラサプリの内服を行います。その際にマグネシウムや亜鉛の欠乏があると、治療効果が出づらいため、マグリッチや亜鉛含有サプリで補充することも必要となります。
一方で、来院された患者さんは今現在、何らかの症状にお困りであるので、なるべく早く現在の症状を取り除くことも必要です。そのため、ハーブサプリや漢方を併用し、早期から症状の改善に取り組みます。
記事監修
米澤 公器
瀬戸のまち統合治療院
よねざわ生活習慣病・脳クリニック院長
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