せとまちコラムSetomachi Column

当院での糖尿病治療法 Part1

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2022.04.21  2022.12.17

一般的に生活習慣病でよく見られる糖尿病は、インスリン分泌はあるものの糖を筋肉や肝臓などに取り込むことができない2型糖尿病です。どうして糖を取り込むことができないのでしょうか?

 

糖を最も多く取り込む臓器は筋肉です。しかし、現代社会はデジタル化などによりどんどん生活での活動量が減り、筋肉を使うことが減ってきています。しかし、食事はしっかりと三食摂取し、場合によっては糖質たっぷりの間食を摂取する方も多いでしょう。その場合、筋肉内に蓄えられた糖質(グリコーゲン)が活動により消費されるよりも前に新たな糖質が入ってくるため、インスリンが分泌されてもグリコーゲンが減ってないため筋肉内に取り込むことができないのです。すると、あぶれた糖質は今後くるかもしれない飢餓(実際には来ないのですが)に備えて、余った糖質を蓄えようとします。

糖質は1gで4kcalですが脂質は1gで9kcalになります。つまり糖質よりも貯蔵形態として優れている脂質(中性脂肪)として体に蓄えるのです。中性脂肪は内臓脂肪として肝臓などにも蓄積しますが、それが脂肪肝という病態です。裏を返せば、過剰な糖質を控えると、脂肪肝は改善するということです。

 

長期的に内臓脂肪が多い状態が続くと、その脂肪細胞から悪玉のホルモン様物質を分泌し、さらに糖の細胞内への取り込みを悪くし、高血圧や動脈硬化を引き起こすのです。膵臓ではインスリンを分泌しているのに、血糖が高い状態が続くと、さらに頑張って膵臓はインスリンを出し続けます。しかし、最終的に膵臓は疲弊し、インスリン分泌ができなくなってしまうこと(1型糖尿病)もあります。その場合にはインスリン注射による治療が適応となります。

 

次回は、糖尿病の改善方法についてご説明します。

記事監修

米澤 公器

瀬戸のまち統合治療院
よねざわ生活習慣病・脳クリニック院長

             

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