せとまちコラムSetomachi Column
ファスティングで期待できる効果とリスク
各種検査2022.05.24
![](https://setonomachi-clinic.jp/wp-content/uploads/2022/05/b75e8869a0b8b70d9998cea2f8a83c4e_t-1.jpeg)
ファスティング(断食)は、一定の期間、全ての食物もしくは特定の食べ物の摂取を断つことです。近年、健康促進・美容などの目的で行われるファスティングが脚光を浴びています。
ファスティングには色々な方法があり、1日のうち1〜2食を抜く簡単なものから、数日の間、固形の食べ物を全く摂らないものまで様々なやり方があります。
24時間程度までのファスティングは比較的安全に行うことができますが、それ以上長時間行う場合は、危険性もあるため専門的な方の指導を受けることをお勧めします。
ファスティングでは以下の様な様々な効果が期待できます。
- 脂肪燃焼
- デトックス
- ミトコンドリア活性
- 胃腸を休める
その一方で、ファスティングに向かない人が行った場合にはリスクを伴うこともあります。
- 成長期のお子様
- 痩せ型で疲れやすい方
- 甲状腺機能低下がある方
- 副腎疲労を来している方
成長期のお子様は身体を作る必要があるため、一定の糖質が必要です。そのため極端な食事制限はしない方が良いでしょう。特にスポーツなどで活動量が多いお子様は特に注意が必要です。
疲れやすい方は、からだのエネルギーが不足している場合が多く、甲状腺機能が低下していることがあります。その場合、体内に脂肪が多くあればその脂肪を燃焼させることでエネルギーを産むことができますが、痩せている方の場合は脂肪が少ないためエネルギー産生ができず、さらに代謝を落としてしまう可能性があります。
また、ご自身では疲れやすい自覚がないものの、実際には副腎疲労を来しており、ファスティングを機に倦怠感が助長することもあります。場合によっては嘔吐を繰り返し(医学的には急性副腎不全という状態)、点滴治療が必要となる方もいます。
それらの健康状態の確認のためには、分子栄養学的血液検査でご自身の状態をチェックした上でファスティングを検討されることを勧めます。
それらの病態を改善した上でファスティングを実施することにより健康上、大きなメリットを生むでしょう。
記事監修
米澤 公器
瀬戸のまち統合治療院
よねざわ生活習慣病・脳クリニック院長
関連記事
-
がん治療がうまくいく指標
各種検査からだに優しいがん治療2022.12.20
末期がんと診断された際に、様々な治療法がある中でどの治療をしたら良いのか迷うことが多いと思います。 どんな治療をするかも大事ですが、その治療が自分に合…
-
「交感神経優位」な状態が続くと「がん」は生まれる
各種検査点滴療法からだに優しいがん治療鍼灸・整体メディカルフィットネス2022.05.18 2022.09.05
当院では受診された患者様にまずは分子栄養学的血液検査をお勧めしておりますが、多くの患者様で「交感神経優位」な所見を認めています。 自律神…
-
早期がん検診 「尿中腫瘍マーカー」
各種検査からだに優しいがん治療2023.04.26 2023.04.28
一般的にがん検診で行う腫瘍マーカーはある程度進行していないと上昇しないことが多いです。一方、「尿中腫瘍マーカー(ジアセチルスペルミン)」は乳がん、前立…
-
慢性疲労に隠れた原因「副腎疲労」
各種検査点滴療法各種治療2022.04.16 2022.12.21
皆さんは副腎疲労という病態を聞いたことはあるでしょうか。保険診療ではなかなか評価が難しく「うつ」と診断され、抗うつ薬を投与されるケースもあります。この…
-
生活習慣病の評価方法 「尿中酸化ストレス測定」
各種検査2023.04.22 2023.04.28
慢性疾患の殆どは生活習慣が原因である「生活習慣病」です。 また、慢性疾患の原因の多くは活性酸素などの「酸化ストレス」、いわゆるサビです。 …
-
動脈硬化は改善しないのか? Part2 「原因編:カルシウムパラドクス」
各種検査点滴療法2022.05.26 2022.12.17
前回は動脈硬化の一つ目の原因となる「酸化ストレス」と「慢性炎症」について説明しましたが、今回は二つ目の「カルシウムパラドックス」についてみていきましょ…