せとまちコラムSetomachi Column
慢性疲労(副腎疲労)治療のピットフォール
保険診療各種検査点滴療法各種治療整体2026.06.17

当院ではこれまで保険診療では改善できなかった沢山の慢性疲労の方の治療を行ってきました。来院された方によくある共通のピットフォール(問題点)をお伝えします。
①プロテインサプリ
プロテインサプリを飲んでいる方が多くいますが、殆どの場合は必要ないばかりか害になることがあります。
多くの慢性疲労の方(特に痩せた女性)は胃腸での消化機能が弱っている(東洋医学的に脾胃虚弱)ため、吸収できないばかりか、未消化蛋白が腸内環境を悪化させることになります。
疲労の原因はエネルギー不足なので必要なのは蛋白質ではなく糖質です。但し、血糖スパイクにならない糖質であるために食物繊維が一緒になった食事であることが重要です。よく、糖質制限してプロテインを飲まれている事がありますが、確かに血糖スパイクは抑えられるかもしれませんが、蛋白質をエネルギーにするためには胃腸で消化してアミノ酸に分解・吸収して肝臓で糖質にする(糖新生)必要があります。慢性疲労の方の多くは胃腸も肝臓も疲弊しているため、さらに内臓に負担をかけてしまいます。まずは朝食をプロテインではなく和食にしていきましょう。蛋白質を摂取するには胃腸にも優しい天然出汁を使用した味噌汁がお勧めです。
②錠剤のミネラルサプリ(鉄、亜鉛、マグネシウムサプリなど)
効果があるのは一時的です。つまり、2,3ヶ月位は一旦改善の兆しが出ることはありますが、本質的に改善にはなりません。特に女性では生理過多などで貧血になっていることが多く、鉄サプリにより貧血が改善することで、一旦調子がよくなることはあります。但し、長期に飲むと未吸収の鉄は腸カンジダのエサとなり、カンジダにより副腎疲労は悪化します。また、血液に吸収された過剰な鉄(遊離鉄)はからだを酸化させる活性酸素を増やして(フェントン反応)、慢性炎症を助長させてしまうリスクがあります。ミネラルは量ではなく自然のバランスが重要です。味噌汁にワカメや豆腐を入れることで良質なバランスのよいミネラルが摂取できます。食事での摂取が不十分な場合は鉱石を溶かしたバランスミネラル水を利用しています。
③ビタミンサプリ
ビタミンA,D,Eなどの脂溶性ビタミンはからだに蓄積するため容量は厳重に守る必要があります。SNS情報などを参考にして個人の判断で長期間高容量を内服し、肝機能障害を起こしたり難治性の病態になって受診される方もいます。ビタミンDには免疫機能や精神状態の改善など様々なエビデンスがありますので当院では血中濃度を測定して、適切な容量での服用をお勧めしております。
水溶性であるビタミンB、Cはからだに害になる事は少ないですが、サプリメントをやめられなくなってしまうため、最小限の使用が懸命と考えます。体感がある場合には必要量を使用するのは良いでしょう。ただし、多くのビタミン(特にビタミンB群)は本来腸内細菌が生成します。つまり、腸内環境を整えることが、ビタミン不足の改善に有効になります。玄米は胃腸での吸収が難しいため、食物繊維が豊富な大麦などを入れた雑穀米を主食にするのがお勧めです。また経験上、運動は予想以上に腸内環境の改善に寄与していると思います。ハードな運動ではなくウォーキングなどの有酸素運動から始めていくことを勧めています。睡眠時間の確保は勿論大切ですが、早寝(遅くても23時まで)は同じくらい重要であると考えます。未成年の場合、携帯電話などのデジタルデバイスの使用はできたら21時までにしましょう。
④疲れた時にコーヒーや間食
痩せ馬にムチとなり、一時的に元気になりますが、エネルギーの前借りをしているだけなので、続けると病態はさらに悪化します。サプリは沢山飲んでいるのに食事や生活改善がされてないことが多いです。まずは食事や生活習慣の改善を優先してください。当院では血糖スパイクが起こらない良質な蜂蜜や副腎ケアハーブを利用することがあります。
以上はこれまでの当院で慢性疲労を診療してきて非常によくあるピットフォールです。慢性疲労の多くは東洋医学的に「気虚」の病態です。「気虚」の原因の多くは胃腸の弱り、つまり「脾胃虚弱」ですので、胃腸のケアからしていく事が基本になります。ですから口に入れるものは胃腸に負担にならない形態であることが重要となります。
また、若い女性の場合には貧血のように血が足りない「血虚」を伴っていること(気血両虚)が多いです。実際に血液検査で高度な貧血がある場合には鉄剤や鉄サプリを使用することもありますが、あくまでも一時的な使用(生理前後の1週間程度)で、本質的に治療すれば漢方薬で十分対応可能なことが殆どです。
このように正しい知識を取り入れるために、今ではAIに相談できますので、まずはご自身で「気虚」、「気血両虚」、「脾胃虚弱」を調べてみてはどうでしょうか。
記事監修
米澤 公器
瀬戸のまち統合治療院
よねざわ生活習慣病・脳クリニック院長
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