せとまちコラムSetomachi Column

花粉症に対する東洋医学的アプローチ

保険診療各種検査

2026.02.25

漢方の流派の一つである「一貫堂」では体質を「解毒症」「瘀血症」「臓毒症」の3つに分類して漢方を選択します。「解毒症」は毒素に対してすぐに反応するアレルギー体質のことで、「瘀血症」は血液循環の悪い体質を指し、「臓毒症」は暴飲暴食や運動不足による高血圧、糖尿病、肥満など生活習慣病を抱えやすい体質のことです。

花粉症の多くは「解毒症」であると考えることができ、根本的な体質改善(本治)を行いたい場合にはそのような考え方と舌診、脈診、腹診の所見を合わせて漢方薬を選択していきます。

抗ヒスタミン剤やステロイド剤などで症状を緩和することは可能ですが、「解毒症」の体質改善にはならないため、半永久的に薬物に頼らざる追えなくなるばかりか、場合によっては徐々に症状を抑えることが難しくなり、薬が増えていくのが問題になります。

そういった場合に、西洋薬ほどの即効性や強い効果は期待できませんが、漢方薬でもアレルギー症状を早めに緩和すること(標治)が可能です。

サラサラの鼻水、涙など余分な水分が多くて悪さする病態(湿邪)は間食の取りすぎや多量飲酒が原因となることが多いです。そのため食事指導をしたうえで、利水作用のある漢方を選択します。

一方、肌の痒みや落屑など乾燥して悪化する病態では精神的ストレスなどの気の滞り(気滞)が原因となることが多いです。さらに鼻詰まりは気の滞り(気滞)から水の滞り(水滞)を伴った病態と考えられ、冷えることで症状が悪化しやすいため気を巡らせ、温める生薬が効果的です。また、そのような病態では入浴により温めて潤いを与えると症状が緩和しやすい特徴があります。気滞や水滞など滞りの病態には運動も効果的です。

喉の痛み、副鼻腔炎、粘性の痰や鼻水、皮膚の発赤など慢性炎症が主体の病態(熱)では熱を鎮める成分が配合された漢方が有効となりますが、実際には漢方薬のみでは限界があると考えます。そもそもの慢性炎症の原因として、リーキーガットを伴っていることが多いですが、予防としては和食を中心とした食習慣を勧めています。アレルギー症状を発病している場合には、まず小麦、乳製品、油物を減らしてみることから始めるのが良いでしょう。それでも効果が乏しい場合には、個々の原因物質を調べる目的で「遅延型アレルギー検査」による評価をお勧めすることもあります。

記事監修

米澤 公器

瀬戸のまち統合治療院
よねざわ生活習慣病・脳クリニック院長

             

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