せとまちコラムSetomachi Column
がんが消えていく生き方
からだに優しいがん治療2023.03.03
先日、ベストセラー本「がんが消えていく生き方」の著者である船戸崇史先生をお招きしてクリニックで講演会をさせて頂きました。
船戸先生はがんを手術で治す外科医としての経歴と、ご自身が腎臓がんになり片方の腎臓を摘出されたがん患者の視点からも「がん」と向き合われ、現在はその経験をもとに岐阜で在宅医療を含めた統合医療を実践されている大先輩です。
今回の講演会の内容を私なりにまとめてみました。
外科医時代にがんをきれいに切除しても再発して悪くなる患者さんがいる一方で、明らかにがんの取り残しがあるにも関わらずがんの進行がなく良好な経過をたどる患者さんがいることに気付き、取り残しなくがんを切除することががん治療において、根本的な問題ではないのではないかと感じたそうです。メスではがんのできた原因までは治せないと考えられ、より患者さんの生活に寄り添うことのできる在宅医療を実践するためご自身で病院を開業されました。忙しく、さらにストレスも多い生活が続いた結果、ご自身ががんと診断されることで、よりリアルに「がん」と向き合うことになったのです。
「がん」は生活習慣による病気であるため生活習慣を改めることなくして良くなることはないのですが、それではどのような習慣が「がん」を作るのでしょうか。
まず、がんになりやすい性格の特徴は3G( 我慢、頑張る、頑固)です。がん患者さんは皆さん自己犠牲をして働く働き者です。
「がん」は悪いものと思われがちですが、無理をしてきた生活習慣の結果であるので、これからは無理をしないことを習慣化することが大事です。自分を大切にして、日々をワクワクできる生活にしていかなければなりません。
がんは敵ではなく「変わりなさい」と言ってくれているだけなのではないでしょうか。
では、具体的にがんが好む環境とは、どの様な状態でしょうか。
結論から言うと、故 安保徹先生が提唱された「低酸素、低体温、高血糖」と考えられます。忙しすぎる生活では交感神経が優位になり、末梢血管が閉まることで血流不全となります。血流不全の状態とはつまり低酸素や冷え(組織の低体温)の状態と言えます。また、忙しい生活では甘いものを欲しやすくなってしまいます。過剰な糖質の摂取により高血糖状態となると余分な糖分はがんの餌となってしまいます。交感神経が優位な状態では副腎からコルチゾールというステロイドホルモンが分泌され、それによっても高血糖の原因となってしまいます。つまり忙しい生活こそががんが好む生活であると言えるでしょう。逆に、がんが嫌う環境とは適度な有酸素運動をして、しっかりと体を温め、しっかりと良い睡眠のできる生活習慣であるとも言えるのではないでしょうか。ただし、あまり激しい運動は交感神経優位となってしまいますので、「適度な」というところが重要かもしれませんね。
実際にヒトのからだでは常にがん細胞が作られ、免疫によりがん細胞が消されているので全てのヒトにがん細胞は存在するのですが、免疫が下がった状態ではどんどんがん細胞が増え続けてしまい、そのような期間が長く続くとがん細胞が増殖し、「がん」と診断される状態になってしまいます。
では、免疫を上げるにはどうしたら良いのでしょうか?
免疫細胞である白血球には顆粒球系とリンパ球系の2種類があります。
細菌に対しては顆粒球が優位となり働きますが、がん細胞にはリンパ球系の免疫が優位に働きます。顆粒球系の免疫は交感神経により活性化しますが、リンパ球系の免疫は副交感神経により活性化します。従って、がんに対する免疫(リンパ球系の免疫)を高めるには副交感神経を優位にする必要があるのです。副交感神経は夜の眠っている間に優位となるため、睡眠を削って仕事をすることは絶対にしてはいけません。理想は夜10時には床につき、朝6時に起床することを勧められておりました。
「がん」は生活習慣からできた結果ですので、生活習慣の改善なく漫然とがん治療を受けるだけでは根本解決は難しいのではないでしょうか。
非常に説得力のあるお話で、是非より多くの方に知って欲しい内容ですので、詳しくは「がんが消えていく生き方」を読んでみて下さい。船戸先生のYOU TUBEチャンネル「リボーンチャンネル」もご覧になってみては如何でしょうか。
記事監修
米澤 公器
瀬戸のまち統合治療院
よねざわ生活習慣病・脳クリニック院長
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