せとまちコラムSetomachi Column
がん治療の個別化医療について
からだに優しいがん治療2022.12.14
西洋医学はエビデンスに基づき治療選択を行います。最もエビデンスレベルの高い研究の手法として、ランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)があります。これはデータの偏りを軽減するため、被験者をランダムに治験薬群と比較対照群(プラセボ群など)に割り付けて実施し、評価を行う試験です。この様になるべく客観的な疫学的観察や統計学による治療結果の比較に根拠を求めます。エビデンスに基づいた治療の場合、ステージⅣのがん患者様は全身に転移があるため手術や放射線治療は適応にならず、抗がん剤治療を勧められることが一般的です。しかし、高齢であったり体力が衰えている方などには抗がん剤治療のメリットよりもデメリットが多くなることは予想するのが難しくないでしょう。
一方、当院で行っている統合医療は、個々人の体質や性質に合わせたオーダーメイド医療を目指しております。目の前の患者さんと十分に話し合った上で、患者様に寄り添った治療を提案します。血中の循環がん細胞を見るCTC検査では個々のがんに効果的な治療法が選択できるため、それを指標として治療を提案することも可能です。あるがん患者様では高濃度ビタミンC点滴と水素吸入を併用して行い、また別の患者様ではアガリクスとマクロファージによる免疫療法を行ったりと、患者様の状況により治療法も様々です。それにより保険診療では治療法がなく、余命宣告をされた患者様に対しても長期生存を実現し、さらには将来的に薬剤フリーにできるように生活指導も継続して行っています。
がん治療により生かされるのではなく、目的を持った人生を送るために個々に応じたがん治療をうまく利用していくという考えが重要ではないでしょうか。
記事監修
米澤 公器
瀬戸のまち統合治療院
よねざわ生活習慣病・脳クリニック院長
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