せとまちコラムSetomachi Column
「交感神経優位」な状態が続くと「がん」は生まれる
各種検査点滴療法からだに優しいがん治療鍼灸・整体メディカルフィットネス2022.05.18 2022.09.05
当院では受診された患者様にまずは分子栄養学的血液検査をお勧めしておりますが、多くの患者様で「交感神経優位」な所見を認めています。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。活動時には「交感神経」が、休息時には「副交感神経」が優位になります。ストレスが加わった場合には「交感神経」が優位の状態となり、白血球の一部である好中球、好酸球、好塩基球といった顆粒球が増加します。
顆粒球は異物を貪食し、自らが発生させた活性酸素によってそれを殺します。しかし、活性酸素は増えすぎると様々な悪い影響を与えます。その一つとして、がんの発生・転移・再発に大きく係わっていることが知られています。また、顆粒球はサイトカインを産生し、過剰に産生された場合には組織を障害することや、さらには過剰な顆粒球(=好中球)はリンパ球の働きを抑制すると言われています。
慢性的なストレスによる交感神経系の持続的な興奮がリンパ球の動きを制限し(リンパ節からの脱出を抑制)、さらに樹状細胞の抗原提示能やサイトカイン産生能の低下によるT細胞の活性化を阻害することが指摘されています。
以上から過剰なストレスは交感神経を興奮させ、その興奮が続いた場合、顆粒球による活性酸素やサイトカインの産生が活発となり、リンパ球の働きを抑制します。つまり、慢性的なストレスを感じている場合とは、がんが発生しやすい状態であり、かつ免疫が低下することにより、がんの発生や増殖を助けている状態が維持されるということです。
現在、日本では2人に1人ががんになる時代と言われています。「交感神経優位」となっている方は持続すると将来のがんリスクとなり得るため、まずは分子栄養学的血液検査で自らを客観的に知り、ストレスコントロールやストレスケア(はり灸、ヨガ、水素吸入、ハーブサプリなど)を行うことからはじめましょう。最近ではCBDオイルによる治療実績も出てきてます。
記事監修
米澤 公器
瀬戸のまち統合治療院
よねざわ生活習慣病・脳クリニック院長
関連記事
-
「免疫」についてPart2
各種検査点滴療法各種治療からだに優しいがん治療2022.05.10 2024.04.24
今回は実際の免疫力アップする具体的な方法をお伝えします。 前回の繰り返しになりますが、ワクチンは特定のウイルスに対する獲得免疫を優位に活…
-
鍼灸治療とは??
鍼灸・整体2022.04.22
鍼灸は一般に「はり・きゅう」または「しんきゅう」と呼ばれています。 疾患や症状に合わせ、経穴部位(ツボ)や硬結部などに金属性の細い鍼を刺入したり、もぐ…
-
当院での糖尿病治療法 Part1
保険診療各種治療メディカルフィットネス2022.04.21 2022.12.17
一般的に生活習慣病でよく見られる糖尿病は、インスリン分泌はあるものの糖を筋肉や肝臓などに取り込むことができない2型糖尿病です。どうして糖を取り込むこと…
-
当院での糖尿病治療法 Part2
保険診療各種治療メディカルフィットネス2022.04.22 2022.12.17
Part1では糖尿病の病態についての内容でしたが、part2では改善方法について説明します。 インスリン注射が必要な1型糖尿病の方は基本的には細胞内に…
-
動脈硬化は改善しないのか? Part1 「原因編:酸化ストレスと慢性炎症」
各種検査点滴療法2022.05.25 2023.04.18
動脈硬化の改善は難しい。というのが一般的な保険診療での返事になると思います。私も脳外科医として血管障害の治療を行なっていた際には「降圧薬などで進行を抑…
-
「がん」の治療 Part1
からだに優しいがん治療2022.04.22 2022.12.17
「がん」がどんな病気かを考える際に、どこに相談するかにより説明は大きく変わるかと思います。大学病院などの標準治療を行う病院では「がん」は遺伝子の問題で…